名古屋市依存症支援者研修会(アルコール依存症)~アルコール依存症の理解と動機付け 関わり方を変えてみよう~

令和2年度の支援者研修の2回目が名古屋市高齢者就業支援センターにて行われました。今回もコロナ禍の中、多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。

≪プログラム≫

☆1日目(令和2年11月15日)

1)アルコール依存症概論~アルコール依存症の理解とアプローチ~

 久里浜医療センター院長  樋口 進先生

2)余計なお世話にならない支援の難しさ~doingよりもbeingが生み出すもの~

 白梅学園大学子ども学部教授  長谷川 俊雄先生

3)断酒会について 本人の体験談  知多中部断酒会  林 藤孝氏

          家族の体験談  知多中部断酒会  高房 まり氏

4)名古屋市の依存症対策政策と施策 名古屋市健康福祉局健康部健康増進課

精神保健係 古山 健太郎氏

☆2日目(令和2年12月13日)

1)依存症者への動機づけ面接法の進め方

 市ヶ谷みぎわ心のクリニック院長

 東京医科歯科大学精神行動医科学分野非常勤講師

 東京都立松沢病院 依存症治療コンサルタント    後藤 恵美先生

2)アルコール依存症の回復支援―アディクション看護の視点から―

 亀田医療大学教授  宮本 眞巳先生

3)AAについて  本人の体験談  AAマナ氏

4)西山クリニックでの外来治療について

 西山クリニック院長  西山 仁先生

研修では、目の前に起こっている問題は解決しなければならないことなのか?という、アディクション支援において、根本的な問いが講師から発せられました。問題を起こすことをどうにかしようとするのではなくて、原因や理由ではなく、起こった問題をどのように解決していくかが必要なのではないかとの講義がありました。受容と質問を繰り返し、本人に関心を持つことによって、本音を話しても怒られない関係を築く。そのためには、こちらが話を聞きだす技法を身につけていくことの大切さも学びました。病気を理解していることと、本人そのものを理解することは、似ているようで異なり、そこに支援の難しさがあると改めて感じました。体験談を聞くことを通して、その人を学び、さらに知識や技術を身につけていくことで、より良い支援に繋がっていくと学んだ研修でした。また、さらに研鑚を重ねられるよう、研修を企画してまいりたいと思っております。ご興味のある方は、西山クリニックHPをご覧下さい。