令和2年度、名古屋市依存症支援者研修会(ギャンブル等依存症)を8月30日、9月27日の両日名古屋市高齢者就業支援センターで開催しました。50名の方が参加されました。ありがとうございました。ギャンブル依存症の研修も初めてになります。今回も当事者、家族、先駆的な取り組みをされている先生方、借金問題で当事者と出会う弁護士の方から講義をしていただきました。
令和2年8月30日(1日目)
ギャンブル依存症総論
─ギャンブル依存症について 診断基準 精神病理 重複障害 日本の現状 宮田先生の取り組み─
宮田久嗣先生(東京慈恵医科大学教授)
ギャンブル依存症問題から学ぶこと
こころの相談室リカバリー代表 吉岡 隆氏
ギャマノンについて 家族の体験談 ギャマノン名古屋 竹の子グループ
GAについて 本人の体験談 GA鵜沼グループ
令和2年9月27日(2日目)
ギャンブル依存症各論
─治療法 アプローチの仕方 回復や治療目標など─
よしの病院診療部長 蒲生裕司先生
ギャンブル依存症について 法律家の立場から
─現場の実際 借金問題への対処法─
愛知市民法律事務所弁護士 平井宏和氏
西山クリニックでの治療の現状
西山クリニック院長 西山 仁
依存症対策政策と施策
名古屋市職員 村上 智香氏
開催報告
ギャンブル依存症に人の特徴として、「嘘をつく」、「借金をする」「高額の掛け金をする」が挙げられます。この特徴は家族を含む本人に関わる人全てを怒らせたり、失望させたり、関わりたくない等と負の感情を持たせ、問題に巻き込んでいきます。しかし、本人の言う「もう二度とやらない」は本当の気持ちであるけど、やめ続けていると、ギャンブルをやめているメリットより、やっているメリットの方が魅力的に思えてしまう状態になりやすいこと。ギャンブルで勝つ満足度より、負けた時の悔しさが上回り、負ければ負けるほど一発逆転を求めてしまう傾向にあることが最近の調査研究で分かってきたと講義で説明がありました。
「強くあるより賢くあれ」との宮田先生の言葉通り、私たち支援者がギャンブル依存症者と関わるために、常に知識、情報をアップデートさせていくこと、一人で支援しようとするのではなくて様々な社会資源を活用しながら、チームで支援を行っていくことがとても重要であると学びました。
今後もギャンブル依存症の研修会開催を検討していきたいと思っています。